結婚したばかりなのに、なぜ離婚になってしまうのか

いずれは結婚したいと考えている未婚の男女は多く、これを読んでいるあなたもその一人かもしれませんね。

国立社会保障・人口問題研究所の調査結果によれば、18歳から34歳の男性の85.7%女性の89.3%がいずれ結婚するつもりと答えています。

この調査によれば、子どもや家族をもてること、精神的な安らぎの場が得られることが、結婚するメリットと感じる人が多いようです。

また、親や周囲の期待に応えられるとの回答も多く、結婚へのプレッシャーを感じている独身者も多数見受けられます。

一方で、メリットを感じ、結婚したカップルが、離婚の危機を迎えるという現実もあります。

では、危機はいつ来るのでしょうか。

離婚の危機は、結婚直後から始まっている

実は、結婚満足度は結婚当初から10年まで結婚年数の経過とともに緩やかに低下していきます。

それなにの、離婚件数は結婚5年以内が最も多く、次に多いのが5年から10年。

そして結婚20年後、特に35年以上経過したあたりも離婚の危機となります。

どうして結婚して間もないのに、離婚の危機を迎えてしまうのでしょうか。

その理由のひとつは、男女の結婚に対する期待の大きさの違いです。

夫婦の結婚満足度は夫が鍵

自分たちの家庭を持ち、精神的安らぎを得る場をもてるメリットをより受けるのは多くの場合、男性です。

精神的・情緒的なサポートや身の回りの世話といったケアを受けるのは男性で、それを提供するのが女性です。
男性と女性で釣り合いがとれていないのです。

そのため、男性の結婚満足度は高く、配偶者に対する愛情も女性に比べて男性が高い傾向があります。

それとは裏腹に、女性は結婚に対する期待が高いのですが、男性からケアやサポートを受けることが少ないと、結婚への満足度が大きく下がってしまいます。

自分がどれくらい幸せなのかを本人の主観をもとに測る主観的幸福感に最も影響するのは、夫では仕事満足感、妻は働いていてもいなくても夫婦関係満足度なのです。

夫は幸福感が高く、妻に愛情を感じているのに、妻の幸福感は低く、夫に愛情を感じなくなることさえあるのです。

さらに子どもが生まれ、子供のケアが必要になると、女性は母親と化します。

多くのエネルギーを母親の役割に注ぐことになり、夫の子育て及び家庭への関与が少ないと妻の結婚満足度は著しく低下します

幼い子どもがいても、ある日、妻から離婚を切り出されたというケースは少なくありません。

つまり、離婚の危機を乗り切るためには、夫は仕事だけではなく、子育てや家庭に関わって、妻の負担を減らす必要があります。

子育て期のことは時間が解決してくれない

そして、夫が子育てや家庭に関与しないことは子育て期の妻の結婚満足度を下げるだけはありません。

子どもが高校生・大学生になり、手がかからなくなる中年期になってもまだ、夫が子育てへの関心・関与の薄さが妻の夫婦関係満足度の低さに影響します。

妻からすれば、子育てで一番たいへんだった時期に、夫は仕事の多忙さを理由に家庭を顧みなかったという思いが残ります。

つまりそれまでの夫婦の歴史が、妻の夫婦関係満足度を下げ、再度、離婚の危機を迎えることにつながるわけです。

かつて、ある雑誌に「40歳から始める夫断捨離の夢路」という記事が掲載されました。
30年以上、生活を共にした夫婦が離婚に直面するということもあります。

離婚は当事者だけでなく、子どもや周囲の人にも大きな影響が与えます。

そして、当事者には大きな精神的負担がかかり、うつ状態になることさえあります。

離婚が夫婦としてのゴールになってしまう前に、ご相談ください。

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投稿者プロフィール

山口 晃歓
山口 晃歓
公認心理師(登録番号 第45405号)
一般社団法人メンタルヘルス協会上級心理カウンセラー
キャリアコンサルタント(国家資格)登録番号20004934
日本マイブレス協会認定ブレスプレゼンター