性格の不一致?価値観のズレ?実は「察してほしい」が原因かも

「言わなくてもわかってよ…」

「なんで気づいてくれないの?」

そんな気持ちが出てくると

「私たち、性格が合わないのかも」
「価値観が違いすぎるのかな」

って、不安になることもありますよね。

でも実際は、“察してほしい”という願いそのものよりも

その気持ちの伝え方がうまくいっていないことが

すれ違いの原因になっているケースがとても多いんです。

私たちセブンラボは、結婚して40年になる公認心理師の夫婦で、夫婦カウンセリングを専門に行っています。

自分たちの結婚生活でぶつかってきたことや乗り越えてきたことがたくさんあります。

そのリアルな経験と心理学の知識をもとに、これまで多くのご夫婦のカウンセリングをしてきました。

そんな中でよくあるのが、「察してほしい」がすれ違いの原因になってしまうケース。

今回は、その“察してほしい”をどう扱えばいいのか、一緒に考えていきましょう。


「察してほしい」がなぜすれ違いの原因になるのか

「言わなくても、わかってくれてると思ってたのに…」

「そんなの、言ってもらわなきゃわかんないよ」

——こんなすれ違い、心あたりないですか?

自分にとっては“当然”のことでも、相手にはまったく伝わってないってこと、実はよくあるんです。

✔ 家事を代わってほしかった
✔ 疲れてるの、顔見ればわかるでしょと思ってた
✔ イライラしてるのに気づいてくれなかった

でも相手からすると、「え、そんなふうに思ってたの?」って感じなんですよね。

それが続くと、モヤモヤがたまって、ケンカや気まずさにつながってしまいます。


なんで「察してほしい」って思っちゃうの?

誰でも、「わかってほしい」「気づいてほしい」って思うものです。

とくに、夫婦とかパートナーみたいな近い関係だと、なおさら。

「何も言わなくても、気持ちくらいわかってくれるはず」って、つい期待しちゃうんですよね。

でも、現実はというと——
相手も忙しかったり、疲れてたり、自分のことで手いっぱいだったり。

だから、こっちが思ってるほど、相手は気づけなかったりするんです。


「察する=愛」って思ってない?

「察してくれる人こそ、わたしを理解してくれてる」

たしかに、察してもらえたらうれしいですよね。

でも、それが「当たり前」になってしまうと、察してもらえなかったときにすごくガッカリしたり、怒りがこみあげたりしてしまいます。

だからこそ大事なのは——

察してほしいより、ちゃんと伝えること。

そのほうが、お互いにとってずっとラクなんです。


こんなふうに伝えてみるのはどう?

「とはいえ、いきなり伝えるのってちょっとムズカシイ…」

そんな方におすすめなのが、こんなふうな言い方👇

  • 「今日はちょっと疲れてるから、手伝ってくれると助かる〜」
  • 「ちょっとモヤモヤしてて、話聞いてくれたらうれしいな」
  • 「今ちょっとイライラしてるから、少しだけひとりの時間ほしいかも」

こうやって、自分の気持ちを「私は〜」という形で伝えるアイメッセージがとても効果的です。

アイメッセージとは、「あなたが悪い」ではなく、「私はこう感じた」と伝える方法。

相手を責めずに気持ちを伝えられるので、受け取る側もグッと受け入れやすくなります。

ポイントは、責めない言い方+具体的なお願い+アイメッセージ

これだけで、伝わりやすさがぐっと変わりますよ。


お願いするのって、わがままじゃない!

「こんなこと言ったらイヤがられるかな…」

「自分ばっかりお願いしてる気がする…」

そんなふうに遠慮しちゃう人も多いんですが、 実は、言ってくれたほうが助かるって思ってるパートナーも多いんです。

「気づけなくてごめんね」って言われること、私たちのカウンセリングでもよくあります。


「察して」をやめたほうがいいときって?

「察してくれない」と感じて悲しくなったり、イライラしたりすることが多いなら、 ちょっとだけ「伝える」方向にシフトしてみるといいかもしれません。

  • 「私はこうしてくれたらうれしい」
  • 「今こんな気持ちなんだよね」

こんなふうに一言そえるだけで、関係がぐっとスムーズになることもあります。


セブンラボからのメッセージ

「気持ちをうまく言えない」

「伝えるのって、なんか恥ずかしい」

そんな声、たくさん聞いてきました。

実は私たち自身も、結婚生活の中で「察してよ!」って思ったこと、何度もあります。

言えなくてモヤモヤしたり、ぶつかったり、イライラをぶつけて後悔したり…。

当時は、「私の気持ちをわかってくれない相手が悪い」と思っていたけれど、 心理学を学んでいく中で、「怒りや不満をぶつけるだけでは、かえって相手との距離ができてしまう」ことに気づきました。

そして、「自分がどう感じていて、どうしてほしいのか」を伝えることの大切さを、少しずつ体験として実感してきました。

だからこそ、「伝えるのってむずかしいよね」っていう気持ち、すごくよくわかります。

でも、ちょっとだけ勇気を出して話してみたことで——
「意外とちゃんと聞いてくれた」
「言ってよかった!」

そんなふうに感じたご夫婦が、たくさんいるんです。

セブンラボでは、
夫婦のコミュニケーションの悩みや気持ちのすれ違いに寄り添うカウンセリングを行っています。

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カウンセリングの申し込みはこちらから

「察して」に疲れちゃったな…と思ったときは、ひとりで抱え込まずにご相談くださいね。

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まとめ|察してより、ちゃんと伝える方がうまくいく

✔ 察してもらえるのはうれしい。でも、伝えなきゃ伝わらないことも多い
✔ 言葉にするだけで、誤解やイライラがぐっと減る
✔ 「ちゃんと伝える」ことが、信頼関係を深める近道

「きっとわかってくれてるよね」じゃなくて、
「ちゃんと伝えたから、わかってもらえた」
そんな関係を目指していけたら、もっと気持ちよく一緒に過ごせるはずです😊

投稿者プロフィール

山口 晃歓
山口 晃歓
公認心理師(登録番号 第45405号)
一般社団法人メンタルヘルス協会上級心理カウンセラー
日本マイブレス協会認定ブレスプレゼンター