何を話せばいいかわからないあなたに試してほしい《ちょっときいてみるだけ》の質問10選

性格の不一致や価値観が合わない、コミュニケーションがうまくいかない…そんな空気が続くと、子どもへの影響も気になってきますよね。

ふたりの会話が減ってくると、部屋の中の沈黙がちょっと重たく感じたりしませんか?

以前はもっと自然に話せていたのに、今は何を話せばいいのかわからない。

無理に話しかけるのも気が引けるし、気まずさを埋めるようにスマホばかり触ってしまう…。

そんなご夫婦から、福岡の夫婦カウンセリング「セブンラボ」にはたくさんのご相談が届いています。

「相手のこと、今どれくらい知っていますか?」

私たちは長く一緒にいると、ついわかっているつもりになりがちです。

でも、実は「最近相手が何を楽しみにしてるか」「何に不安を感じているか」って、意外と知らなかったりしますよね。

人の気持ちや関心って、数年前と比べるとびっくりするくらい変わっていたりするものです。

だからこそ、会話を通して「今のあなた」を、そして「今の相手」を少しずつ知っていくことが、とても大切なんです。

たとえば、相手が最近ちょっと元気がないと感じたとき、「今、気になってることある?」と聞いてみるだけで、意外と心の扉が開くことがあります。

あるいは、笑顔が増えてきたと感じたときに「最近ちょっと楽しかったことって何かあった?」と聞いてみるのもいいですね。

こうした小さなやりとりの積み重ねが、夫婦関係の“土台”を少しずつ整えてくれるのです。

「深い話」じゃなくていい。“ふとした話”がちょうどいい。

夫婦の会話って、何か深い話をしなきゃいけないと思うと、つい身構えてしまいますよね。

でも、実際はそんなことなくて、「え、そんなこと気になってたの?」みたいな日常のやり取りから、関係があたたまり始めることが多いんです。

「夕ごはん何食べたい?」の一言でも、「あのドラマどう思った?」という軽い話題でも、立派な会話です。

大事なのは、完璧な言葉より、「あなたに関心があるよ」という空気。

そこで今回は、そんな“ちょっとした問いかけ”から相手の今を知ることができる、会話のタネを10個ご紹介します。

話題①:最近ちょっとだけ「うれしかったこと」ってある?

どんなに関係がぎくしゃくしていても、「うれしかったこと」の話なら口にしやすいものです。

「コンビニの新作スイーツがおいしかった」とか、「子どもが『ありがとう』って言ってくれた」など、日常の中のささやかな幸せを共有するだけで、空気がふんわりやわらぎます。

「それ、よかったね」と相づちを打つだけでもOK。

会話のゴールを“盛り上げること”にしないからこそ、続けやすくなります。

話題②:今、ちょっとだけ心配なことってある?

「大したことじゃないんだけど…」と話せるちょっとだけの不安が、実は心の深い部分につながっていることがあります。

「子どもが友だちとうまくやれてるかな」とか、「仕事の締切が詰まってて疲れてるかも」など。

それを言える空気をつくっておくと、必要なときに必要な話ができる土台になります。

話題③:気分が落ち込んだとき、ちょっと元気になれるものって何?

落ち込んだときに“どう自分を回復させているか”を知ると、相手のペースに寄り添いやすくなります。

「コーヒーの香りをかぐと落ち着く」「日向ぼっこが好き」など、心のリズムを知ることはとても大切です。

それを聞いたうえで「じゃあ今度その時間つくろうか」と言える関係が、安心感を育ててくれます。

話題④:最近「へぇ〜」って思ったことある?

「話題がない」と感じるときこそ使えるのがこの質問。

「テレビで○○が話題だったよ」とか、「子どもが“おじさんって何歳から?”って聞いてきた」など、なんでもOK。

情報交換ではなく、気持ちの交換を目的にすると、話すことのハードルがぐっと下がります。

話題⑤:次に自由な休日が取れたら、何したい?

「とにかく寝たい」「ひとりでカフェに行きたい」「みんなで自然に触れたい」など、休日の過ごし方にはその人の疲れ具合欲しているものがよく表れます。

それを聞くだけで、「あ、この人は今ちょっと癒しを求めてるんだな」など、寄り添うヒントが手に入ります。

話題⑥:最近、自分ってちょっと変わったなって思うことある?

「涙もろくなった」「昔ほどイライラしなくなった」「甘いものを前より欲しなくなった」など、変化を言葉にすることで、自己理解も深まり、それを受け止めてもらえると安心につながります。

「へぇ、そういうところ気づいてたんだね」と返すだけでも、相手の気持ちにやさしく寄り添えます。

話題⑦:今、ひそかにハマってることとかある?

ちょっとした趣味やブームは、無理なく盛り上がれる話題。

「冷凍餃子を食べ比べるのにハマってる」「深夜ラジオを聴いてる」など、自分だけの小さな世界を共有できると、お互いに新しい一面を見つけられます。

ふたりの距離がぐっと縮まる話題です。

話題⑧:最近「がんばったな」と思ったことある?

「今日も朝からお弁当つくった」とか「あの苦手な上司と話した」など、他人から見たら小さなことでも、自分の中でのがんばりを認めてもらえると、人はぐっと心を開きます。

聞いた側は「えらいね」とシンプルに返せばOK。

評価より共感がカギです。

話題⑨:今の生活で「もっとこうだったらいいのに」ってことある?

要望を伝えるって、意外と難しいもの。

でもこの質問なら、角が立たず自然に言いやすい。

「洗濯のタイミングをずらせたら助かる」「夜もう少しゆっくり過ごせたらいいな」など、ふたりの暮らしの質を上げるヒントが詰まっています。

聞く側は、まず「なるほど〜」と受け止めることが大事です。

話題⑩:子どもに将来どんなふうに育ってほしいって思う?

教育方針や子育て観って、実は夫婦のすれ違いやすいところ。

でも正解を出すことより、「そういうふうに思ってるんだ」と知ることが何よりの価値になります。

「優しい子に育ってほしい」「自分らしくいてほしい」——そんな思いを共有できたとき、夫婦は親としてもチームになれるはずです。

「きくこと」は、相手を大切に思っている証拠。

質問って、「あなたのことをもっと知りたい」「大事に思ってるよ」というサインなんです。

ちょっと照れくさいかもしれませんが、言葉にして聞いてみると、案外するっと答えてくれるものです。

たとえば「最近ちょっと疲れてるように見えるけど、大丈夫?」と一言添えるだけで、相手は「ちゃんと見てくれてるんだ」と感じられます。

逆に「最近うれしかったことある?」なんて軽めの質問でも、「そんなふうに聞いてくれるの、ちょっとうれしいな」と返ってくるかもしれません。

ふたりの間に優しい会話が増えると、家の中の空気もやわらかくなります。 そしてその空気は、ちゃんと子どもにも伝わります。

まとめ:会話のゴールは、“知ること”じゃなく“つながること”

会話って、正解を出すためのものでも、結論を出すためのものでもありません。

「今日はどうだった?」「こんなこと思ったんだけど…」というふとしたやりとりが、少しずつお互いの気持ちを近づけていきます。

つまり会話とは、わかりあう努力の積み重ね。安心できる空気があるから、言葉も出てくるし、気持ちも伝わっていくんです。

今回ご紹介した話題、ひとつでもピンとくるものがあれば、ぜひ今日からそっと聞いてみてください。

セブンラボでは、そうした「ちょっとした会話」をきっかけに関係が変わっていくご夫婦を、たくさん見てきました。

沈黙が気まずい時間に、そっと投げかけてみる——そんな優しい会話のきっかけとして、この10のタネを活用していただけたらうれしいです

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投稿者プロフィール

山口 晃歓
山口 晃歓
公認心理師(登録番号 第45405号)
一般社団法人メンタルヘルス協会上級心理カウンセラー
日本マイブレス協会認定ブレスプレゼンター