感情を感じることから始まる、夫婦の仲直りと子どもの安心感

性格の不一致、価値観が合わない、コミュニケーションがうまくいかない、そして子どもへの影響…。そんな夫婦のすれ違いが続くと、「もう仲直りなんて無理かも」と思ってしまうこと、ありませんか?

夫婦歴40年の公認心理師夫婦で福岡で夫婦カウンセリングをしているセブンラボです。
私たちのところに相談に来られるご夫婦で多く見られるのは、「話がすぐケンカになる」「言いたいことが言えず、黙り込んでしまう」「ケンカすると子どもに悪影響ではないかと心配になる」といったお悩みです。

ですが、ケンカ自体が「悪いこと」なのではなく、ケンカの“あと”どう向き合うかがとても大切なんです。

今回は、ケンカの後に関係を修復し、より深く理解し合うためのステップをご紹介します。


感情を「感じる」って、案外むずかしい

考えるのは得意。でも、感じるのは苦手?

現代の多くの大人は、「感情よりも理性で考えること」に慣れています。
たとえば、怒っても「大人げない」と我慢したり、悲しくても「そんなことで落ち込んでられない」と押し込めたり…。

そうした習慣が積み重なると、だんだん「自分が何を感じているのか」がわかりにくくなってしまうのです。

感じていなくても、身体は覚えている

怒り、悲しみ、怖さ、嫌悪…。こういったネガティブな感情は、意識しなくても、私たちの身体の中にたまっていきます。

「なぜか肩がずっとこっている」
「お腹が重たい」
「気づくとイライラしている」

そんな身体のサインは、実は感じきれなかった感情の残りかもしれません。
心と身体はつながっていて、無意識に我慢した感情が、身体に形を変えて現れてくるのです。


仲直りの第一歩は、「感じようとする姿勢」

自分の内側を探ってみる

「自分の気持ちがよくわからない」
「何に傷ついたのかが言えない」

そんなときは、まず頭で考えるより、「体の反応」や「記憶に残る場面」から入ってみてください。

  • 今、体はどんな感じ?(胸がつまる、肩がこる…)
  • どの瞬間がモヤモヤした?
  • 何を言われたときにひっかかった?

そうやって静かに自分の内側に目を向けることで、少しずつ「感情の手がかり」が見えてきます。


感情は「敵」じゃなく「味方」

感情が教えてくれる「本当に大事なもの

私たちは感情を「面倒なもの」と感じがちですが、実は感情こそが、自分の本音や大切な価値観を教えてくれる存在です。

たとえば:

  • 怒りは「もっと大切にしてほしい」
  • 悲しみは「つながっていたかった」
  • 怖さは「安心がほしい」
  • 嫌悪は「境界線を守りたい」

そんなあなたの“心の声”を、感情は代わりに叫んでくれているのです。


仲直りのカギは「私は〇〇と感じた」

攻撃ではなく、共有としての言葉に

夫婦関係でこじれやすいのが、「あなたが悪い」「なんでそんなことするの」という責める言い方
それに対して、関係を修復する力を持つのが、「私は〜と感じた」という表現です。

たとえば:

  • 「あなたが無視するからイライラする!」→「私は返事がないと、不安で悲しくなる」
  • 「そんな言い方やめてよ!」→「その言葉を聞いたとき、私は傷ついた」

こういう伝え方をすると、相手は防御せず、あなたの気持ちに耳を傾けやすくなります。


子どもは「感情と向き合う姿」を見ている

子育て中の夫婦にとって、ケンカの影響は気になるところですよね。
でも実は、「ケンカしてもちゃんと仲直りできる姿」を見せることこそが、子どもにとって最高の安心材料なんです。

  • 感情を感じる
  • 言葉で伝える
  • 相手と向き合い、関係を修復する

こうしたプロセスを、子どもは親の姿から「体感的に学び」ます。


感じることは、こわくても一歩ずつ

感情を感じるのは、最初はとてもこわいことかもしれません。
でも、ちょっとずつ、すこしずつ。「なんとなく引っかかる」「モヤっとする」くらいからで、じゅうぶんです。

セブンラボでは、そんな「感情とつながる力」を一緒に育てながら、仲直りの方法をサポートしています。

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夫婦だからこそできる「わかり合う」を、ゆっくり育てていきましょう。
あなたのペースで、大丈夫です。


投稿者プロフィール

山口 晃歓
山口 晃歓
公認心理師(登録番号 第45405号)
一般社団法人メンタルヘルス協会上級心理カウンセラー
日本マイブレス協会認定ブレスプレゼンター