「家事も育児もやったのに」なぜ離婚?

カウンセリングルームの椅子に座って
目の前の男性は力なく語り始めました。

「僕は自分なりに精一杯やってきたつもりなんです」

彼は、自分自身に言い聞かせるように
これまでの日々を振り返りました。

「仕事は真面目にやってきたし、浮気もギャンブルもしない。
それなりに収入はあるし、経済的には不自由はさせていないつもりです。
休日は子供の相手もしたし、家事だって『手伝うよ』と声をかけてきたんです。
周りの友人たちと比べても、僕は『ちゃんとしている夫』だという自負がありました」

しかし
その自信は妻からの一言で脆くも崩れ去ったようです。

「それなのに、妻は『もう無理。離婚したい』と言うんです。

急に突き放されて、正直、何が起きたのかわかりませんでした。

今になって
頭の中をぐるぐると回るんです。

一体、僕の何がいけなかったんだろう。
あの時のあの言葉がいけなかったのか
あの態度が悪かったのか……。

もっと早く気づいていれば
もっと早く向き合っていれば
こんなことにはならなかったんでしょうか」

この男性のように
外から見れば満点」だったはずの夫が
ある日突然
妻から三行半(みくだりはん)を突きつけられ、途方に暮れる。

実はこれ
夫婦問題の現場では決して珍しいケースではありません。

夫からすれば「突然の事故」ですが
妻からすれば
長い時間をかけた必然」です。

今日は
私たち男性がつい見落としてしまう
妻の心の中にある
存在の重さ」という視点について
自戒を込めてお話しします。

このページの目次

妻が求めているのは「ただの同居人」ではない

男性は、どうしても問題を
「タスク(任務)」として捉える癖があります。

妻が不機嫌だと
「何が不満なんだ? 皿を洗えばいいのか? 稼ぎが足りないのか?」と
行動で解決しようとします。

もちろん
行動すること自体は
素晴らしいことです。

しかし、奥様が求めていたのは
「家事をする労働力」や
「家計を支えるだけの稼ぎ手」としての夫だけではありません。

彼女たちが本当に求めているのは
「夫にとって私は人生のパートナーとして尊敬し、敬意を払ってくれる存在」だと
実感できることなのです。

夫が「タスク」をこなしている間
妻の心の中では
まったく別の問いかけが繰り返されています。


妻が問いかける「存在の軽さ」

少し厳しい言い方になるかもしれませんが
奥様の目には
あなたの「悪気のない態度」が
こう映っていたのかもしれません。

  • 「やめて」と言ったことを軽く流して繰り返す。
  • 「やってほしい」と頼んだことを、「後で」と先延ばしにする。
  • 話しかけても、スマホを見たまま生返事で返す。
  • 「俺は仕事で疲れてるんだ」と、妻の疲れを「俺より大したことないもの」としてあしらう。
  • 「一日家にいられていいな」と、彼女が必死で守っている家庭を「楽な場所」だと決めつける。

あなたにとっては
「忙しかったから」
「つい忘れていたから」
「大したことじゃないと思ったから」という
ほんの些細なことだったかもしれません。

しかし、奥様はそれを
「タスクの不履行」とは受け取りません。

私が大切にされていない証拠」として受け取ります。

彼女たちの心の声を代弁するなら、きっとこんな叫びになるでしょう。

「嫌だと言ったことをやめてくれない。
必要だから頼んだことをやってくれない。

それはつまり
私の言葉なんて聞く価値がないと思っているからでしょう?

私が毎日どれだけ神経をすり減らして家や子供を守っているか。

あなたは『家にいるだけ』
『誰でもできること』だと思って
見下している。

私って、あなたにとって一体なに?

ただの同居人?
便利屋さん?
あなたの人生にとって、私の存在ってそんなに軽いの?」

家事をどれだけ手伝っても
この「敬意の欠如」を
感じさせてしまっている限り
彼女の孤独が埋まることはないのです。


妻の決意までの「カウントダウン」

妻は、決して突然
別れを決めるわけではありません。

夫が気づかない間に
彼女たちは3つのステップを踏んでいます。

第1段階:うるさい時期(期待)

「もっと話を聞いてよ」
「靴下を脱ぎっぱなしにしないで」
と文句を言う時期です。

夫からすれば
「小言」に聞こえますが、これは
「まだあなたに期待している」
「私の気持ちをわかって」
というSOSです。

第2段階:静かな時期(諦め)

ここが最大の分岐点です。

今までうるさかった妻が
急に何も言わなくなります

多くの男性はここで
「あ、妻もやっと落ち着いたか。
家庭円満だ」と
勘違いして安心します。

しかし、実際は逆です。

「この人に何を言っても無駄だ」と
心のシャッターを下ろした瞬間です。

期待することをやめ
諦めることで
自分の心を守ろうとしているのです。

第3段階:他人行儀な時期(決別)

妻が妙に明るかったり
事務的になったりします。

これは、あなたを「夫」ではなく
「同居人」として割り切ったサイン

水面下では
仕事を探したり貯金を確認したりと
離婚後の生活に向けた準備が始まっています。

冒頭の男性のように
「突然言われた」と感じるのは
第2段階の「静けさ」を「平和」だと
読み間違えていたからなのです。


「心当たり」はありませんか?

実は、私たちのもとに駆け込んでくる
男性のお話をよくよく聞くと
ある共通点が見つかります。

それは、過去に奥様から
小さな招待状」が届いていた
ということです。

「ねえ、最近すれ違ってる気がする」
「カウンセリングっていうのがあるみたいだよ」

そんなふうに
彼女なりに修復を試みて
あなたを誘ってくれた瞬間があったはずです。

その時
あなたは「必要ない」「大げさだ」と
その招待状を開封せずに
捨ててしまっていなかったでしょうか?

だからこそ
いざ自分が困って
「カウンセリングに行こう」と言い出した時
奥様は冷めた目でこう感じるのです。

「私が誘った時は無視したのに。
自分が困った時だけ必死になるんだ」と。

この「ズレ」に気づかないまま
「とりあえず連れて行けばなんとかなる」と思ってしまうと
さらに溝は深まってしまいます。


答えは「見つける」もの

正直に申し上げますと
私たちセブンラボは
「行けばなんとかなる魔法の場所」ではありません。

「どうすれば離婚を回避できますか?」
「妻を説得する方法を教えてください」


正解だけを求められることがありますが
残念ながら特効薬のような答えは
私たちも持っていません。

なぜなら
壊れかけた信頼を取り戻すには
あなた自身が奥様の気持ちと向き合い
汗をかいて対話を積み重ねる
以外に道はないからです。

「ここに来れば、カウンセラーが
なんとかしてくれる(他力)」ではなく
「ここを基地にして
自分がどう変わるか考える(自力)」。

そう思える方であれば
私たちは全力でサポートします。

今まで見落としてきた
奥様のサインは何だったのか。

「家事」ではなく
「心」を大切にするとはどういうことなのか。

一人では気づけなかった視点を
男性心理と女性心理の両面から
紐解いていきます。

「もう手遅れかな」と諦める前に。

まずは一度
自分だけでも会いに来られてはいかがでしょうか。


まとめ:信頼の再構築は、今ここから始まる

「家事を手伝えばいい」
「稼いでいれば文句はないはずだ」

もし今日まで
そんなふうに考えていたとしても
それは単にあなたが
鈍感だったからではありません。

あなたが
これまでの人生で培ってきた「人生観」や
人との関わり方である「対人観」

そして、「男はこうあるべき」
「夫たるもの強くあるべき」という「セルフイメージ」。

そういった
あなた自身を支えてきた
「価値観の鎧(よろい)」が
皮肉にも奥様のSOSを
見えなくさせていただけなのかもしれません。

しかし、「妻が何に傷つき
何を求めていたのか」という
答えを知った今
あなたには新しい選択肢があるはずです。

その古い鎧を脱ぎ捨て
失いかけた信頼を取り戻す道のりは
決して平坦ではありません。

時には
妻からの冷たい視線や
過去の清算に心が折れそうになる日もあるでしょう。

けれど、あなたが
「外面がいいだけの夫」から
「心を通わせるパートナー」へと
変わろうと、もがく姿こそが
奥様の凍った心を溶かす
唯一の熱源になります。

私たちセブンラボは
公認心理師の夫婦ユニットです。

男性心理と女性心理
その両方の視点から
あなたが「ただの同居人」を卒業し
もう一度「愛される夫」になるための道のりを伴走します。


よくあるご質問

妻にカウンセリングを拒否されました。私一人で行っても意味はありますか?

はい、非常に大きな意味があります。
夫婦関係は「歯車」のようなものです。
片方の歯車(あなた)が
回り方や形を変えるだけで
噛み合っている
もう片方(奥様)の動きも必ず変化します。

むしろ
最初はご主人お一人で来られた方が
冷静にご自身の課題と向き合えるため
修復が早いケースもあります。

「妻が来ないから無理だ」と諦めず
まずはあなたから始める選択肢もあります。

「もう離婚したい」と言われています。今からでも修復できますか?

状況によりますが
可能性はゼロではありません。

奥様の「離婚したい」が
本当に最終決定なのか
それとも
「今のままなら無理(変わってくれるなら別)」という
諦めと期待が入り混じった言葉なのか。

それを正しく見極める必要があります。

自己流で説得しようとすると
逆効果になることがあるので
まずは3D性格分析などを使い
現状を客観的に整理することから始めましょう。

自分の気持ちを話すのが苦手です。うまく説明できなくても大丈夫ですか?

ご安心ください
上手に話す必要はありません。

私たちはプロの心理カウンセラーです。
あなたの断片的な言葉や
うまく言えない
モヤモヤした気持ちを
汲み取り
言語化するお手伝いをします。

「何から話していいかわからない」という状態のまま
お越しいただいて構いません。

福岡は遠いのですが、相談できますか?

はい、Zoomを使った
オンラインカウンセリングを
ご利用ください。

東京や大阪など
遠方にお住まいの方や
お仕事が忙しい経営者の方など
多くの方がオンラインで
利用されています。

画面越しでも
対面と同じ温度感でお話を伺いますので
距離を理由に解決を諦める必要はありません。

投稿者プロフィール

山口 晃歓
山口 晃歓
公認心理師(登録番号 第45405号)
一般社団法人メンタルヘルス協会上級心理カウンセラー
日本マイブレス協会認定ブレスプレゼンター