「なんでもいいよ」って言ったよね?それなのに責められるのはなぜ?

「夫婦の話し合いをすると、いつもケンカになってしまう」
「相手に任せたはずなのに、なぜか文句を言われてモヤモヤする」
そんな経験、あなたにもありませんか?
このコラムを読んでいただき、ありがとうございます。
福岡で夫婦カウンセリングをしているセブンラボの山口てるよしです(夫の方です)。
わたしたちは
30代の子育て世代のご夫婦から
「会話がかみ合わない」
「気をつかってるのに怒られる」
といったご相談を多く受けています。
その中でも特に多いのが
「なんでもいいよ」と言われたのに
あとから不満そうな顔をされたり
空気が悪くなったりする
そんなすれ違いです。
今回は
あなたが悪いわけでも
相手が悪いわけでもない
「なんでもいいよ」の裏にある
「伝えられていない思い」と
それが生むすれ違い
についてお話しします。
なんで「なんでもいいよ」がモヤモヤのもとになるの?

たとえば
あなたが
「今日は外食にしようか。何がいい?」
と聞いたとします。
相手は
「うーん、なんでもいいよ」と返してくれる。
そこで
あなたが気を利かせて
「じゃあパスタにしようか?」と提案したら
一瞬の沈黙。
そして、どこか浮かない表情。
「え、それじゃないんだよね」
そんな空気が漂ったとき
あなたの中に芽生えるのは
「えっ…じゃあ何がよかったの?」という困惑と
小さなイラ立ち。
「なんでもいいって言ったじゃん」
「じゃあ最初から言ってよ」
そう思わず
口に出したくなるのは
任されたと思って動いたのに
「違う」という反応が返ってきたことへの
理不尽さや肩すかし感
があるからなんです。
本当は
相手にも希望があったのに
それを言わないまま
「決める役」だけこちらに回ってくる。
しかも
ちょっとでもはずせば
不満げな空気が返ってくる――
その不公平さに
もやもやが募っていくのは当然です。
本当に“なんでもいい”と思ってる?

そもそも
「なんでもいいよ」って
本当に「なんでも」いいのでしょうか?
あなたも
こんなふうに感じたことはありませんか?
「どうせ何を言っても却下されるし…」
「相手は何を考えているのか分からない」
「こっちは気をつかってるのに、向こうは何も出してこない」
実は
「なんでもいいよ」と言う人が
本当に何も希望を持っていないことは
ほとんどありません。
- 自分でもよくわかっていない
- 遠慮して言わないようにしている
- どうせ言ってもムダだとあきらめている
理由は
人それぞれですが
「伝えない」ことを選んでいる場合がほとんどです。
その結果
表には出ていない希望や不満が
あとになって態度や雰囲気としてにじみ出てくる
そして
それを受け取るあなたが
責められているように感じてしまう。
つまり
「なんでもいいよ」の裏には
実は
「言わなかっただけの気持ち」が
存在している
ことが多いんです。
任せたのに責められる…そのモヤモヤの正体

「なんでもいい」と
言われたから
こっちは任されたと思って決めた。
それなのに
あとから不満そうな顔をされたり「本当はあれがよかった」と
言われたりする。
そのときに感じるのは
単なる戸惑いではありません。
責任だけを背負わされたような不公平感
気をつかったのに報われない虚しさ
そしてときには
「どうして私が悪者みたいになるの?」という怒りです。
このモヤモヤは
自分が失敗したというよりも
「言わなかった相手のせいじゃないの?」
という感覚に近いかもしれません。
でも
それを口に出すと
「責めてる」
「文句ばっかり」と
受け取られそうで
結局また
言いたいことを飲み込んでしまう…。
そして
そのたびに
ふたりのあいだには
「言わなくてもわかってほしい気持ち」と
「言葉にして伝えてもらわないとわからない気持ち」がすれ違い
少しずつ距離ができていきます。
たとえば――
話しかける回数が減る。
相談せずに済ませてしまうことが増える。
話題を選ぶようになって
深い話ができなくなる。
何か
大きな出来事があったわけじゃないのに
気がつけば
「伝えよう」とすること自体が少なくなっている。
そんなふうにして
静かなズレは
着実に広がっていくのです。
すれ違いを減らすには、どうすればいい?

じゃあ
どうすれば
「なんでもいいよ」が
モヤモヤの
原因にならずに済むのでしょうか。
大切なのは
「完璧に気持ちを伝えること」ではありません。
むしろ
ほんの少しのヒントでもいいから
「相手が選びやすくなるような情報」を出してもらうことが
ポイントなんです。
たとえば…
- 「疲れてるから、あっさりしたものがいいかな」
- 「なんでもいいけど、こってり系は避けたい」
- 「昨日お肉だったから、今日は魚系がいいかな〜くらいの気分」
こんなふうに
少しでも相手の中にある
「なんとなく」を
出してもらえるだけで
こちらのストレスはずいぶん減ります。
「なんでもいいよ」と
丸投げされるよりも
選ぶ側としての
「責任」が軽くなるし
ズレたときのガッカリ感もなくなるんです。
つまり
モヤモヤを減らすカギは
「どう選んでほしいか」を共有してもらうこと。
相手の気持ちを
100%言葉にしてもらう必要はなくて
「いくつかのヒント」を
出してもらえるだけで
関係はぐっとラクになるんです。
言葉にしてくれたら、もっとラクになるのに

相手が何も言ってくれないとき
こちらが
「どうしたいのか」
「何がNGなのか」を
探るしかなくて
毎回
「これで合ってるかな」と
様子をうかがいながら
動くことになります。
その状態が続くと
気をつかっているのに報われない感じや
こちらばかりが考えているような孤独感に
つながっていきます。
でも
本当は、ちょっとした一言でもあればいいんです。
- 「今日はなんとなく、外食より家でゆっくりしたい」
- 「さっぱりしたのがいいかなって思ってる」
- 「正直、そこまでこだわりはないけど、前に行った○○は好きだったよ」
そんなふうに
そのときの「なんとなく」でも
伝えてもらえるだけで
どれだけ救われるか。
こちらだって
相手の気分に寄り添いたいと思っている。
でも
何もわからないまま
「任せられる」と
重たく感じてしまうこともあるんです。
ふたりの関係をこじらせるのは
「わがまま」より
「遠慮」や
「無言」だったりする。
だからこそ
ちょっとでも
「言葉にしてくれること」が
安心につながっていくのです。
セブンラボではこんなご相談をお受けしています

- 夫婦の話し合いをすると、すぐケンカになってしまう
- 相手の気持ちがわからず、どう対応すればいいか悩んでいる
- 自分ばかりが気をつかっているように感じて、疲れてしまった
セブンラボは
福岡市にある
夫婦カウンセリングルームですが
オンライン相談にも対応しています。
小さなお子さんがいて
外出しにくい方や
遠方にお住まいの方も
ご自宅から安心してご相談いただけます。
「なんでもいいよ」と言われたのに
あとから不機嫌そうな顔をされる
そんなモヤモヤに
ひとりで悩まなくて大丈夫です。
あなたの中にある
「ちゃんと向き合いたい」という気持ちこそが
関係を変えるスタートになります。
わたしたちは
その一歩を一緒にサポートします。
投稿者プロフィール

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公認心理師(登録番号 第45405号)
一般社団法人メンタルヘルス協会上級心理カウンセラー
日本マイブレス協会認定ブレスプレゼンター
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