定年退職の準備で大切なこと

定年退職をイメージ

会社等の組織で働いている人にとって、いつかは訪れる退職日。

中でも、定められた年齢に達したときの定年退職。
定年退職と聞いて、あなたはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか?

定年退職したら自分のことはすべて自分ですることに

仕事というステージの始まりである就職の場合、入社すれば、新入社員研修やOJTで教育、訓練を受ける機会があります。

社会的に必要なこと、税金、健康保険、年金等も会社が手続きを肩代わりしてくれる仕組みが準備されています。

一方、仕事(会社)のステージの終わり、定年退職の場合はどうでしょうか?

定年退職は働いていた会社と雇用契約が切れるため、組織的なサポートはなくなり、自助努力が必要です。

税務申告一つをとっても、会社がほぼ代わってしてくれていたことを自分自身で確定申告することになります。

健康保険も、国民健康保険に変わり、自身で手続きをしなければなりません。

人事や総務のように、必要な手続をしてくださいと働きかけてくれることはありません。

クレーマーと呼ばれるかもしれない


さらに就職との大きな違いは、定年までの長い時間が経過する中、知らず識らずに習慣化していることが多く、適応するのが容易ではないことです。

例えば、一日のスケジュールは大きく変わります。

通勤、出勤、退勤というルーティンがありません。そのため自分で決めないと、意味のない時間だけが過ぎてしまいがちになります。
何をしてもいいという自由は、ときに不自由を感じさせます。

人間関係も大きく変わり、会社の同僚、上司、部下、取引先の人と会うことはありません。

おはようの挨拶をする相手、一緒に昼ごはんを食べていた人、お疲れ様と声をかけてくれていた人たちとの時間が消え、居場所がひとつ無くなるのです。

そして、会社では肩書があり、それなりの扱いを受けていても、退職した途端にただの「個人」に変わってしまいます。

会社なら満たされていた承認欲求が、何もしなければ、満たされなくなってしまいます。

承認欲求が満たされないため、イライラすることが増え、問題行動を起こすことがあります。

例えば、コンビニやスーパーの店員の対応が悪いと暴言を吐いたり、コールセンターに電話をかけてクレームを入れたりという行為です。
そうならないよう、誰に対しても謙虚な姿勢を崩さないよう心がけたいものです。

定年退職という大きな変化を迎える準備で大切なのは、自分自身の人間性を高め、自分の価値観、人生観を理解する努力ではないでしょうか。

この準備をして、その後の人生を満ち足りたものと感謝や幸福感を感じる時間にしたいものです。

投稿者プロフィール

山口 晃歓
山口 晃歓
公認心理師(登録番号 第45405号)
一般社団法人メンタルヘルス協会上級心理カウンセラー
キャリアコンサルタント(国家資格)登録番号20004934
日本マイブレス協会認定ブレスプレゼンター