パートナーとの価値観の違いでイライラする

ご夫婦でカウンセリングに来られる方の多くは、価値観の違い、性格の不一致、家事の分担を問題と捉えておられます。
そして、怒りやイライラを普段から感じている方が多いように感じます。

離婚経験者に対する調査(「離婚に関する調査2016」(リクルートブライダル総研調べ))によれば、離婚理由の上位は、次のようになっています。
・価値観の違い
・人生観の違い
・性格の不一致
・金銭感覚の違い
・夫婦の会話が無い

やはり、価値観の違いや性格の不一致が、夫婦関係を悪化させるという結果になっています。

価値観が違うとどうなるのか?

だれもが愛する人と幸せな人生を送りたいと希望をもって結婚することでしょう。

そして、結婚当初は、幸せな生活を阻む要因は少なく、この状態がずっと続くと思うのも無理からぬ事かもしれません。

ただ、年月を重ねるうちに、妊娠、出産、育児、多忙による心身の疲労、転勤、引越し等、夫婦の関係が試されるような出来事が起きます。

そして、お互い納得できる解決に向けて夫婦で十分な話し合いができれば、より絆が深まっていきます。

一方、話し合いができないと、夫婦の会話が少なくなったり、徐々にけんかが増えてしまいます。

すると、以前より不仲になったと感じ、次のようなありがちな対応策をするケースが多いようです。

一つは、「自分の正義を主張して、相手を打ち負かそうとする

もう一つは、「自分の感情にフタをして、波風が立たないようやり過ごす
です。

しかしながら、この対応策を続けても夫婦仲はよくなるどころか、より悪化する結果となります。

ありがちな間違った対応策とは?

どうしてこの2つの対応策は、夫婦仲をより悪化させてしまうのでしょうか。

そして、価値観が違うとどのようになってしまうのでしょうか。

価値観は、何に価値があると認めるかに関する考え方です。

価値観が違うと、善悪や好ましい好ましくないといった判断の基準が違うわけですから、大きなストレスの元になります。

夫婦の場合、一緒に過ごす時間が長いので、さらにストレスが大きくなると思われます。

特に現実と自分が正しいと思っていることとの差は、怒りを感じる原因となります。

この怒りがコントロールされていないと、感情を相手にぶつけることになり、かえって事態を悪化させます。

相手を打ち負かそうとする言動には、攻撃性があります。

例えば、どなったり威嚇すれば、相手は話を聞くどころか、ここからいかに逃げようか、もしくは徹底的にけんかしてやろうかという二者択一の心理状態になります。

いわゆる闘争逃走反応です。

これでは、建設的な話し合いにならず、お互いに傷つけ合うだけです。

おそらく、いやな後味が残り、問題点は解決されず、くすぶり続ける火種は残ったまま。

いつか、怒りをぶつけ合う場面が再現され、思い描いていた幸福な結婚生活とはかけ離れていきます。

これを繰り返していたのでは、疲れ果て、離婚が頭をよぎるのもやむを得ないかもしれません。

一方、波風が立たないようにやり過ごすために自分の感情にフタをしたらどうなるでしょうか。

感情にフタをすることは、本当は感じていることを我慢する、抑えることになります。

それは、本当の自分自身を否定して、知らず識らずに自分の心身を傷つけることにつながります。

夫婦で一緒にいても苦しくなるばかりでちっとも楽しくないし、安心安全を感じることができなくなってしまうでしょう。

これでは、だれのための人生を生きているのかわからなくなります。

イライラが少しずつ溜まって、怒りや恨みに変わり、パートナーに冷たくなったり、怒りを爆発させてしまうことになるかもしれません。

怒りとうまく付き合うには

どちらの対応策も、相手と自分を尊重していません。

結果、怒りを感じ、溜まった怒りが大きな障害となり、事態の解決を阻んでしまいます。

怒りはたった1回の暴発でも人生を変えてしまい、大切な人との絆を断ち切ってしまうことになります。

そして、怒りは自分自身の心と身体を一番傷つけてしまうことになります。

しかしながら、怒りは人間にとって必要なものです。

だからこそ、怒りを無くすのではなく、怒りと上手に付き合い、自分と大切な人のために建設的な未来を作っていくために、アンガーコントロールは必要です。

どうして、あんなことで怒っているんだろうと、人は他人のことはよく見えます。

一方で、自分のこととなると、なかなかうまくいきません。

自分の歪んだ価値観や思考が、現状をありのままにとらえることを邪魔してしまうからです。

あなたの怒りをコントロールできるのはあなただけです。

あなた自身と大切な人のためにアンガーコントロールトレーニングを日常に取り入れてください。

関連コラムはこちら◀

セブンラボでは、あなたが怒りとうまく付き合えるようになるサポートをしています。

詳しくは、こちらを御覧ください。

そして、あなたが夫婦関係を修復したいなら、こちらをクリック。▶︎なぜ、夫婦で心理カウンセリングを受けるのか?◀

個別相談の流れはこちらから◀

投稿者プロフィール

山口 晃歓
山口 晃歓
公認心理師(登録番号 第45405号)
一般社団法人メンタルヘルス協会上級心理カウンセラー
キャリアコンサルタント(国家資格)登録番号20004934
日本マイブレス協会認定ブレスプレゼンター